慈悲あまねく、慈愛深き神の御名において
訳者はしがき
ここに紹介するのは、シャリーフ・ラジー(Sharîf Râzî、西暦1015年没)の編纂による『ナフジュ・ル・バラーガ』(Nahj-l-Balâghah=雄弁の道)に収録されている、イマーム・アリがエジプト総督の任務を託すマーリク・イブン・ハレス・アル・アシュタール(Mâlik ibn Hâreth
al-Achtar)に宛てた書簡のフランス語からの全訳である。
『ナフジュ・ル・バラーガ』は初代イマーム、イマーム・アリ・イブン・アビー・ターリブ( Imâm ‘Alî ibn Abî
Tâlib)(西暦600生-661没)に拠るとされる教説、対話、書簡等の編纂集で、フランスの宗教学高等研究学院(ソルボンヌ)主任教授でイスラーム哲学者、現象哲学者のアンリー・コルバンは、この著作が宗教生活のみでなく、精神的・哲学的思索にとっても、最も重要な基本文献であることを機会あるごとに述べている。(『イスラーム哲学史』L’Histoire de la Philosophie Islamique, éd. Gallimard,Paris, 1982,p. 64 – 65;『精神的,
哲学的見地からのイランにおけるイスラームについて』En islam iranien,
aspects spirituels et philosophiques,I - IV , éd. Gallimard,Paris,1971,他)。
この手紙の中でイマームは、職務を任された人の「魂」の在り方について、密接な相互関係で成っている社会の中での人事等にそれぞれの定義を求めている。すなわち、職務は何のために任されているのか;自分自身に対して、そして身内や側近に対して道義の原則貫徹の意義;国民との関係はどのようにとるべきか:その民族が持つ高貴な伝統の尊重;国事を任す行政官、司法官、公務員等にはどのような人がふさわしいのか;商人が健全な商取引をするためには;農地耕作者への配慮;恵まれない人々へとるべき配慮とその必要なわけ等々を十分に吟味し、この手紙の内容を深く思索するよう勧めている。
一体定義するということは、根源的な前提に遡ることであり、そこでは現象に基づく多様で無秩序な経験認識の混乱錯雑した物事の観方、考え方への反省が既に求められている。反省するということは自覚することで、反省された自己認識は物事の根本原理への発見へと向かう。我々人間にとって認識の完成は実践に関わる判断力を十全に働かせる為であり、我々自身の完成が本来的に願い求められているからである。その完成は、西田幾多郎が「人間の全使命に関する哲学が道徳哲学である」と言っているように、理性的存在としての人間の完成の場は「人間の本性」が属する道徳(宗教も)が成立する「知性の世界」にある(プロティノス、他)からで、自由意思と道徳法則に従うことは、本来一であるのであるが、それをそう認めるか否かは「理性による思考力に関係する」とする。
「誠実」とか「忍耐」、「寛容」等といった理念は「原型」として人間理性の本性に注入されているものであり、単なる仮構物ではない、がこのような道徳理念はそれを正しく判定するための規範を欠くと道徳そのものが種々様々な堕落に陥ることになってしまう。
イマーム・アリ・イブン・アビー・ターリブはイスラームの預言者、ムハッマドの従兄弟で、同ムハッマドの娘、ファーティマ・アル・ザハラの夫であり、預言者亡き後の後継者であった。
「イマーム」という字義はアラビア語で「前に立つ者」、「案内する者」という意味で、シーアにおいては霊性の「極に位する者」を意味し、アリ・イブン・ターリブを初代とし、以後預言者の娘ファーティマの血統を通じて親から子へ継承された「12人」にのみ限って使われる尊称である。
今はこの世に身体的には存在しないイマーム・アリのこの手紙に示されている言葉は、集団を統御するために人々が下す社会命令的教義では全くなく、人間として意識の完成を願い求める人にとっての「内なる案内者=イマーム」からの思索の指針としてである。
精神、魂に関する実践もある日突然に希求するような完成に到れるものでもなければ、また一度の経験で一挙に絶対的な境地にはいれるものではなく、またその事実の把握も日々の精神的経験の中での吟味、実践の全過程を通じてしか、その真偽は確認されないしその秘密も明らかにならないのでは?
訳者:KN
イマーム・アリ・イブン・アビ・ターリブが
マーリク・イブン・アル・アシュタールに
宛てた手紙
(エジプトの前総督、ムハッマド・イブン・アブ・
バークルの任期中に起こった紛争の結果、
685年にアル・アシュタールを新エジプト総督として任命した際にしたためた、
イマーム・アリの最も長い手紙)
神の下僕であり、信者の指揮者であるアリが新エジプト総督に就任するマーリク・イブン・ハレス・アル・アシュタールに与える指示は次の通りである。
1)国家の収入を徴収し、国家の敵と闘い、国民の状況を改善し、国の繁栄を確保すること。
2)神を畏れ、神に従うことを至上命令とすること。
神が神の「本」[1]の中で義務と定め給うたご命令は言うに及ばず、義務以外となされているご命令にも厳格に従うように命ずる。そのご命令に従うことでしか何人(なにびと)も幸福ではあり得ず、否認したり曲解することがなければ、誰も不幸とはならないからである。
3)神に心を以って、手を以って、口を以って仕えるように。主は主に仕える者には「勝利」を、従う者には「力」を約束され給う。
4)あなたの情動を抑えそれに引きずられないように勧告する。情動は悪に赴かせる。情動から免れられるのは、主のご加護を得る者だけである。
コーラン
新任の心得
5)マーリクよ、あなたを遣わす国が、あなた以前に正義や横暴の支配による様々な状況を経験した国であることを心得てほしい。
6)あなたが、あなた以前にこの国を治めた者の行為を批判したのと同じ様に、国民はあなたの行為を批判し、あなたがかつて為政者のことを話したように、人々はあなたのことを話すであろう。
7)正義の人として認められるのは、神が、神を崇拝する人々の口を通してその人について語らせる言葉による。
最も貴重な宝が善行であるように。
8)気まぐれを抑え、禁じられているものを断念すること。魂を制するとは、魂が好むままに任すことではなく、欲望を思いとどまり嫌なことに耐えることでしか果たせない。
国民との関係
9)国民に対して心を優しく、穏やかにし、思いやりを尽くし、国民を自分の餌食にしようとしか、思いめぐらさない獣のようであってはならない。
人々は信仰においては兄弟であり、神が創造され給うた人間としては、あなたと同じ類である。いずれも意識的にまたは無意識に過ちを犯しやすい傾向にあり、また既に犯してしまった者もいる。
10)あなた自身、神があなたを赦し給われることを望むよう、人々に赦しと寛容を示すように。
あなたは彼らの上にあるだろうが、あなたの上にはあなたを任ずる者がある。しかし我々すべての者の上には、神が在らせ給うのである。
11)神が人々の世話をする地位を与え給うたのは、あなたを試みるためである。
12)あなたを神のご命令と対立させてはならない。
神のみ前では、あなたは全く無力であり、神のご寛宥とご慈悲がなければ、己が身を置く場所すらもないのである。
13)どのような赦しであっても決して赦したことを残念に思ってはならない。また、いかなる懲罰にも心を驕り高ぶらせて行ってはならない。この類の早まった解決をとるのを避けて他に出来る方法を見つけよ。
「私には権威、権力が与えられている、私は命令する者であるから私に従え」などと、決して言ってはならない。それは心を堕落させ、信仰を弱め、国を混乱に陥れる。
14)あなたが自由に出来る権力や権威のようなもので惑わされるようなことが起こる時は、あなたの上に在らせられる神の主権の偉大さ、神のあなたを支配する力、あなたが何一つ左右できない神の権能をよく観察するように。
そうすることはあなたの野望を踏みひしぎ、激しさ、荒荒しさを鎮め、動揺した理性に事物をはっきりと見極める洞察力を取り戻させるであろう。
15)神の高みまで自分を高めたいと望んだり、あなたに任された権威で、あたかも神になったように権力を振うことがないよう用心しなくてはならない。
横暴な者はすべて神から卑しめられ、神はあらゆる傲慢者を蔑まれる。
16)神が規定され給われた「法」と、創造されたものに与え給われた権利を、あなた自身は言うにおよばず、あなたにとって最も親しい身内や友人、部下には、とりわけ守らせるように。
そのようにしない場合、あなたは圧制者となるであろう!
17)神が創造され給うたものを虐げる者は、神はその者を神の敵とし、横暴を蒙った人々から虐げられるようにされるであろう。そして神を敵とする者は誰であろうとその言い分が打ち砕かれるのを見るであろう。なぜなら神は、神を敵とする者が神に服従し、悔い改めるまで戦われるからである。
18)不義不正に固持することほど神の恩恵に変更を招き、神の懲罰を急がせることはない。
神はとりわけ虐げられている人々の祈りに耳を傾けられ、虐げる者を注意深く監視され給う。
19)あなたが選択する解決は、常に誠実で最も中庸を得たものであり、そして全体に及ぶ正義によるように。また国民の同意を得るには、最もよい成果をもたらすものとなるようにすること。
少数の特権者の同意は国民の不満で無に帰すが、特権者の不満は、国民の満足でつぐなわれるからである。
20)為政者として次のことを銘記するように。
特権を有する者は安泰の時には任務を引き受けるが、困難な時には協力せず、正義に従って行動することをためらい、要求する時は執拗で、恩恵となった行為には感謝の意を示さず、断った時には理解を示さず、試練に際しては強靭に耐えることが出来ない。
21)それに反して、宗教の力となり、信徒の団結を成すのは国民一人一人であり、国家が敵と直面した時に盾となって戦うのも彼らである。
22)国民に対して十分な心遣いを示すように。
臣下の中で他人の欠点を詮索する者からは最も距離を置くこと。
確かに、人間は不完全である。為政者の第一の努めはその不完全さを庇うことである。あなたの目から隠されていることを暴きたてようと決してしてはならない。あなたの任務はあなたの目に止った彼らの弱点を正すことであって、あなたの目から免れていることは神のみがご裁定なされ給うのである。
23)人々の弱さをできるだけ覆って庇護するように。人々の目から隠したいとしているあなたの弱点に対して、神は同じようになされるであろう。
24)相互に抱く敵意から人々を解き放し、あなたにとって明らかでないことには見て見ない振りをし、恨みを引き起こす疑いのあるようなすべてのことから遠ざかること。
密告者の言葉は、いかなる場合も性急に「是」としてはならない。密告する様な者はどのように善人に見せかけても本性から腐敗しているからである。
助言者、顧問
25)吝嗇な者の忠告を受け入れてはならない。金や物が減るのではないかとの恐れを植え付け、あなたを吝嗇に引きずりこむからである。
臆病な者の忠告も聞いてはならない。確固たる決断を必要とする時に優柔不断とさせる。
また貪欲な人は強欲を立派なことと見せ、不正に得るものを正当であるように思わせる。
吝嗇、臆病、貪欲は神への信頼を欠いた者の共通要因で単に異なった性質で現われているだけなのである。
26)最悪の協力者は、邪まな支配者たちを支持したり、荷担した者である。そのような者は不法、横暴な者の協力者であって、あなたの相談役にしてはならない。
あなたには洞察力を備え、傾聴に価し、忌まわしい罪を犯したことがなく、横暴な為政者の暴虐行為や犯罪に加わったことのない、優れた協力者を見つけることができるであろう。
27)その様な人は他のことにかまける代わりに、いつもあなたの近くにいて、あなたを思いやり、あなたの厄介の種となることなく、常に助けてくれるであろう。
28)このような人たちを公私共にあなたに最も近い協力者であるようにするように。なかでも、あなたにとっての厳しい真実を凛呼と述べる人の助言を最もよく聴くように。神と神の代理者が許さないような行為をあなたが行う時に助けるような人の助言に耳を傾けてはならない。
廉直で敬虔な人々を忠実な部下とし、彼らがあなたにへつらったり、あなたを褒たりしない習慣を確立するように。
甘言、へつらいは虚栄心を生み、不遜に陥らせる。
29)善をする人と悪を行う人を同じに待遇してはならない。
善良な人が善い行いをすることをくじき、邪悪な人が悪行を続けるのを励ますようなことにならないよう、どちらにもそれぞれの行いにふさわしい処遇を計らうべきである。
30)為政者が臣下からの誠実を保証したければ、それは彼らに対して端正な態度でのぞみ、職務を軽減し、不可能なことを絶対に強要しないことである。
その様な方法が、あなたが臣下に抱く善意の証明となるように。彼らの信頼はあなたの任務を円滑にする助けとなるであろう。
31)彼らをよく処遇すればするほど、それはあなたへの信頼として酬われ、また逆に悪く処するなら、不信という報いを得ることになるのである。
32)この国の先人たちが築いた国民総意の対象となっている高貴な伝統を廃止してはならない。既に築かれている伝統を毀損するような、いかなる改革も一切行ってはならない。
称賛は、それら高貴な伝統を築き上げた人たちに当然帰されるが、それらを廃止することで損なわれる遺憾な結果の責任はあなたのものとなる。
33)学識ある人々との接触を頻繁にし、慧眼ある賢明な人々とよく協議して、国家に順調な発展をもたらすよい方針を堅固にし、先任者たちが行った国家運営のよい慣行を強固にするように。
国民の構成
34)国民は様々な階級から成っていて、どの階級も互いに密接に依存し合い、他の階級の人々がいなければ健全に成り立たないことに留意せよ。
その中には、神の兵士、行政官、司法官、書記、ムスリム及び他の宗教の信者、商人や職人がいる。また貧困、貧窮の階層に属する人々もいる。
神は、神の「本」[2]の中と、預言者の「伝統」[3]の中に神がご満足なされるよう、それぞれの人々の権利と義務を定め給われた。
神は我々にそれを託し保護を任され給うたのである。
35)神のご加護によって軍隊は国民の盾となり、為政者の栄光となり、信仰の権利を守り、国家の安全を保障する。国は軍隊のお陰で安泰でいられるのである。
36)軍隊が堅固であるには、国庫収入の中から神によって割り当てられた資金による。軍隊が敵との戦いで強くあり、その向上を望み、維持費として使われるのはその割り当てられた資金からだけなのである。
37)しかしながら、軍隊も国民も国事に従事する行政官、書記官、公共または民間行政に携わる公務員なくしては有効に機能しない。
この人たちには契約を作成したり、国家や国民各自の問題を処理する信頼が委ねられている。
38)また、すべての人々は商人や職人の助けがなければ繁栄出来ない。彼らは他の生活層の人々が自分自身でまかなえない分野の労力を市場や他の場所で提供する。
更に、困窮や貧困階層の人々がいるが、彼らへの援助と救済は他のすべての者の義務である。
39)神は誰一人をもらすことなく権利を授け給われた。人々はそれぞれの範囲において、為政者への権利がある。
為政者は、神が任され給うた国民を世話する義務に対し、その義務を免れるいかなる口実もない。
神のご助力を支えとして、重大な職務であろうと、軽い職務であろうと、正義を愛する心をもって困難を堅忍し、任された職務遂行の実現に当らなくてはならない。
軍隊の指揮官
40)各軍隊を指揮する地位には、神に対し、神の預言者と神のイマームに対して最も忠実で、かつ最も賢明であり、すぐに激情にかられることなく、許すことを知り、弱い人に対しては優しく、権力ある者には剛気であり、また、いかなる状況においても激することも怖気づくこともなく平静を保つ、そういう人を置くように。
41)毅然としていて良い家柄の人たち、名誉ある祖先を持って名前が知られている立派な家庭に育った人、また勇敢な人、義侠心のある人、雅量、寛容の心のある人々と絶えず親しく付き合うように。
そのような資質はすべて、高貴さ、感謝の念を知る優雅さ、高尚さの結集の現われなのである。
42)彼らの状況には父親が子供に対するように関心を払うこと。
彼らを助けるために与えるものを決して勿体振ってはならない。逆に彼らがあなたに示す心遣いには、どんなに些細であっても決して軽視してはならない。
このようにすることで、あなたへの忠誠心が生まれ、彼らからの善意を受け取ることになるであろう。
彼らの大事な問題は言うに及ばず、彼らの些細な関心事、心配事でも忘れないで対処するように。些細な事柄でも彼らにとっては大事なことであり、ましてや重大な問題は彼らにとっては看過できない重大事なのである。
43)部下たちへの助力を惜しまず、部下や彼らが故郷に残してきた家族の必要を満たすためには、自腹を切ってでも出来る限りのことを尽すような指揮官には最大の敬意を払うように。
このような指揮官とは敵との戦いにおいて、部下の感情は一つとなるからである。あなたの指揮官へ対する好感は部下の心をもあなたに傾けることになるであろう。
44)為政者にとって何にも代え難い最大の喜びは国内に正義がくまなく行き渡り、国民の間に友愛が漲り溢れるのを見ることである。
国民との友情は彼らの心が純真でなければ現われてこない。また、彼らの誠実さを確認できるのは為政者を擁護し、その決定を快く受け入れることによってだけである。
45)あなたは彼らの希望が実現できる機会を与え、彼らが果たした貢献、功績を無言のままに放って置かないで絶えず褒め続けるように。そうすることで、神が思し召しになられるなら、勇敢な者には一層の勇気を、薄志弱行の者には熱意を鼓舞することになるであろう。
46)各人が果たす行為はそれに従って評価するように。
ある人の業績を、それを行っていない他の人の業績としたり、その評価を下げるようなことを決して行ってはならない。また階級の高い、低いで行為を不当に称賛したり、過小評価することがないように。
47)非常に困難な状況での問題解決を迫られるときは、神と神のみ使いにお導きを求めるように。
神は、正しい道に導こうと望み給う人々に、呼びかけていらっしゃる。
「信仰する者たちよ!神と神の預言者[4]、及びあなた方の間で権限を持つ者に従いなさい。あなた方の間で意見が分かれる場合は、神と神の預言者の説くところに従うように」。
48)具体的には、神にお導きを求めるとは、「神の本」に従うことであり、預言者に導きを求めるとは、人々が分裂するのではなく一致に導く預言者の伝統を選ぶことである。
司法官の選任
49)司法官には、人々の中であなたがその徳性を最も高く評価し、提出されるどんな問題にも苛立つことなく、訴える人々の意気を挫くようなことがなく、自分の判断の誤りに固執せず、利欲によって行動することなく、問題を表面で扱うのではなくその奥底に隠れている真相を究明し、推定(反対の証拠が出るまでの事実の推定的認定)でしかないことにはよく熟考して性急に判定を下すことなく、最も数多く証拠に照らし合わせ、反対者の論述を聞くのに不快を覚えず、問題を解明するための強靭な忍耐があり、判決が明らかになった時には甘言にも誘惑にも惑わされることのない人、そういう人を選ぶように。しかしその様な人は多くない。
50)その様な適任者の選任が実現した暁には彼らとの接触を頻繁にし、他の者に頼ることがないよう、彼らの必要がまかなえる十分な手当てを与えるように。
彼らを陰謀、暗殺から守るためにあなたの傍に置き、あなたの側近の誰一人として、彼らに近付くことが出来ない程の高い地位を与えよ。
51)これらの勧告を深く熟考していだだきたい。
それは、この宗教が邪悪な為政者たちの手中にとらわれて、彼らの気まぐれや現世の利益追求に利用されてしまったからである。
官吏の選出
52)役人たちの選出は、候補者の行動をよく観察し、よく試みた上で行うように。
ひいきや私情で選んではならない。この2つの過誤は不正や裏切りなどの誘因となる。
53)候補者の間から、充分な経験がある人、早くからイスラームを選んで揺るぎない信仰を持つ人、尊敬に値する端正な家柄に育った人を見つけるように。
このような人々は最も優れた振る舞いと最も優れた品性を持ち、簡単に誘惑に引きずられることがなく、決定する結果への洞察力を持っている。
54)彼らに充分な待遇を与えること。
それは彼らの自覚を高く保つため、また彼らの部下から、金を引出そうとする誘惑から守るのに役立つと共に、あなたの命令に言い逆らったり、信頼を裏切ったりするようなことが起きる場合には、反論の口実を残さない証(あかし)となるからである。
55)彼らの行動を忠実で誠実な者に見張らせて監督するように。
そうすることは自らに置かれた信頼を自覚させ、尊重させて国民に親切であるように促すであろう。
56)あなたに近い協力者には、細心の注意を払うように。
彼らのうちの誰かが不正を犯し、あなたの目の代わりを務める監視官が罪を報告する時は、証人としてあなたにとって充分である。
その時は懲罰を適用し、違反を犯した者が不面目を覚え、違反と不名誉の烙印としての体罰を課すことが出来る。
徴税、財政問題
57)土地を耕す人々のために農地の問題に気を配るように。
土地からの収穫の豊かさとそれらを生産する者の繁栄は他の人々の安寧を左右する。それは人々が土地と土地を耕作する人に依存している、という単純な理由からである。
58)農地からの収入を重視する前に土地の状態に専念するように。
収入は、農地がよく維持されていなければ、あなたのもとにはやって来ない。農作地の改良に気を配らないで、税金を要求する者は国を滅ぼし、国民の生活を困難に陥れ、国民は衰亡し、結果為政者の信頼に終わりを告げることになる。
農民が重税、惨禍、水不足、濃霧、洪水や旱魃などによる土地の荒廃での苦しみを訴える時があるであろう。
59)その時は状況を改善するに、可能な限りを尽くし、税金を軽減するように。
60)減税は必要がない、と考えることがあってはならない。一時の税収減少は、貯蓄に他ならないのである。
あなたが行う税の軽減は国民からの称賛を受け、公正で国が遍く覆われるのを見ると同時に、国家の発展と威信を高めるのに役立つ、そういう形であなたに戻ってくる貯蓄に他ならないのである。
繁栄のお陰で蓄えた国民の力はあなたを支える力となり、慣わしとなったあなたの公正さ、誰もが認めるあなたの寛大な精神は、あなたにとって国民への信頼の拠り処となるであろう。彼らの支援を頼まなければならない事態が起こることもあり得る。
61)その時、国民はこの願いを心の底から引き受けるであろう。あなたがもたらした繁栄で、あらゆる重荷に耐えられるようになっているからである。
国の崩壊は土地を耕がして生きる者たちの貧困化から来、この貧困化は、自分の地位が長く続かない思う役人たちが富を集めるのに専念する貪欲と過去のその教訓に学ばない結果である。
秘書の選任
62)秘書の職に任ずる人々は、国家の計画や秘密を洩らすことになる信書を委ねるのに価し、あなたの仕事を託すことができる人物であるのか、その境遇をよく調査しなくてはならない。
63)その中から徳と謙虚さを備えた人々を選出するように。
その様な人たちは自分に託された機密を利用して、公の面前であなたに言い逆らう様なことを企てることはない。また、あなたの管轄下から来た信書を、不注意や怠慢から、正確且つ迅速にあなたに伝へなかったり、忠実に返事を書かない事態も起こらないであろう。
また、あなたの指示する方針を損ねることなく、あなたの利に反するような問題には、解決を付ける才覚を持ち、自分らが果たす任務の重大さを十分に自覚している。
自らの役目の重要さをわきまえない者は他の人の仕事も理解出来ないのである。
官吏の選任
64)官吏をあなたの第一印象や自己過信、他人の評判にだけ頼って選んではならない。
65)その様な人々は上役によい印象を与えるために、媚びと迎合で歓心を買う術を知っているので、熟考する力も誠実さもない人を選ぶことになる。
66)あなたの前任者に尽くした勤務状態を重んじ、その中で国民の皆に優れた印象を残し、誠実さで名望がある人を選ぶように。
67)この様な選択は、神に対し、また国民に対してあなたの誠実さの証(あかし)となるであろう。
68)各部署の官吏たちの長にはいかなる困難な仕事の重責にも耐え、多岐にわたる仕事にも混乱をきたさない人物を置くように。
たとえあなたが直接管理しないとしても、役人たちが犯すあらゆる過失の責任はすべてあなたが負わなくてはならないからである。
商人と職人
69)商人や職人たちとは、店を構へたり、あるいは行商、または手仕事で生計をたてている人々である。彼らに気を配り、思いやりをもって処遇するように。
彼らは、他の人々が自分自身で入手できない生活に必要なものを、遠い土地や、海や野、山を越えて人々に供給し、暮しの快適さを確保してくれる源である。
彼らの活動は、長続きする平和と協定を守ることによって保証されているのであるから、あなたにとっては危惧のない人々である。
70)国の最も遠隔の地で活躍している人々の状況をも把握するように。
71)しかしながら彼らの多くは商売においては冷酷かつ貪欲で、商品の価格を不正に操って儲けを一人占めし、市場を独占して民衆に迷惑を及ぼし、為政者には恥の源となることがある。
72)独占行為を禁ずるように。独占行為は、神のみ使いによっても禁じられている。
73)取引はお互いにとって健全な状況の中で運ばなくてはならない。計量は正確で、価格は買い手にも売り手にも損害があってはならない。
警告したにもかかわらず不正取り引きを実践する者があれば、あくまでも公正を旨とし、行き過ぎのないように、戒めとして罰するように。
困窮者
74)おお、神よ!
神のお慈悲において、あなたにたってお願いする。
なにとぞ、なにとぞ、悲運、不運から貧困、困窮、悲惨、不具や病いで苦しんでいる貧窮した人々を手厚く庇護していただきたい。
彼らの中には苦しみを訴える者もいれば、貧困悲惨を甘受している者もいる。神が彼らに賜れた権利とあなたに課された義務から注意を決して逸らしてはならない。
75)国庫からの一部とイスラーム教徒所有地からの収入の一部を彼らの救済に充てるように。
76)遠くに離れている人々も、あなたのすぐ近くにいる人たちと全く同じ権利がある。あなたは彼らの一人一人に責任がある。
77)彼らの権利を軽視してはならない。
大きな問題に専念することは小さな問題を軽んずる言い訳にはならない。傲慢に、驕りたかぶり、あなどって、この問題から顔をそむけてはならい。
78)彼らがあなたに直接訴えることが出来ないのをよいことにして、あなたの配下の者が蔑視する被害者がないよう先策を打つように。
79)彼らの訴えが、きちんとあなたのところまで伝わるよう敬虔で謙遜な係官を彼らのもとに配属するように。
あなたが神の御前に出る日に弁解をしなくてすむような処遇を貧窮に苦しむ人々に行うこと。
この階級の人々は国民のどの階級よりも最も公正な待遇を受けて当然しかるべきなのである。
神への真摯さ、誠実さの証(あかし)として、困窮している人々への義務を、他のすべての国民も果たすようにすること。
80)生活の手段も持たず、助けを求める才知もなく境遇に耐えている孤児や老齢者の状況を報告させよ。
為政者にとって、この問題は道徳上の容易ならぬ責務である。正義の実行はいつも重い。
しかし来世での報酬を願って、神が約束給われたことを信じ、誠意をもってその重荷を背負う者に、神はその荷を軽くされ給う。
国民との会見
81)時間の一部を権利が侵害されていると訴える人々との面会にとるように。
その時は訴える人々が何の危惧もためらいもなく言い表せるよう、あなたの兵士や補佐官、護衛や警察官を臨席させてはならない。
神の御使いは繰り返して言っておられる:「神は、強い者を怖れている弱い者に権利を与えない国を祝福されない」と。
82)訴えの中での表現の不器用さや拙さに耐えて、気兼ねや遠慮がある時にはゆったりした気分にさせ、穏やかさと控えめを保つように。
そのようにすることで、神はご慈悲とご寛大で包まれ、あなたの神への服従を報われ給うであろう。
83)与えるものはすべて心からよろこんで与え、断る時は十分な心くばりと鄭重な詫びをもって行うように。
主との時間
84)あなたには、とりわけあなた自身で果たさなければならない実務、例えば、業務執行官が彼の判断で答えられない至急を要する問題への返事、あなたのもとへ直接届いた補佐官たちの癇に障るような報告に解答を出すとか、あなた自身で処理しなければならない職務がある。
毎日その日に果たさなくてはならない仕事がやってくる。日々果たす任務の日程計画を取り入れるように。
85)あなたの最良の時間を神との時間にさき、それがあなたにとって最も大切な時間であるように。
その時間が、国家のためを思う、あなたの誠心、誠意の現われであるならば、非難の的とはならない。
神への務めを敬虔に守ることが、あなたの宗教に誠実に尽し仕える、貴方の誠実に専心する行為の現れの一つであるように。
86)夜に、昼にあなたを神に奉げよ。
神にお近づきする動作は非の打ちどころ無く厳密に、何一つ怠ることも省略することもなく、全身全霊をもって行うように。
87)信者の祈りを先導する時には、飽き飽きするほどに祈りを長引かせてはならない。
病気で苦しんでいる人や他の用事が待っている者もある。
88)神の御使いが私をイェーメンに派遣される折に、どのように祈りを先導すればよいのかをお尋ねした時、御使いは「信仰する者に思いやりをもって、またそのうちで体の最も弱い人に合わせるように行いなさい」と申された。
国民との接触
89)出来るだけ頻繁に国民との接触を取るように。
姿を見せない為政者は国民に不安を与え、国民の現実から切り離されて無知となり国事を誤ることになる。
そうなると重大な問題は些細に見え、些細なことが重大に、悪い行いは良く、良い行いは悪く見えるようになり、偽りの中に紛れ込んでいる真実との区別が付かなくなる。
90)為政者も人間でしかない。人々が隠していることを窺い知ることは出来ない。
真実な人なのか、嘘偽の人かを判断できる印が額に付いているわけではない。
従って、あなたが真実の人なのか、虚偽の人なのかは、行いで示すことでしか他人には判断されない。
あなたを頼って来る人たちのほとんどは寄付を求めに来るのではなく、蒙った不正を訴えたり、不公平な扱いの再審を願い出るだけである。
この人々にとってあなたは二種類の人のうちの一方でしかあり得ない。
一方は高潔で思いやりの心を持ち、正義を常に尽くしたいと励む人。もう一方は、正義を見せるのを出し惜しみする人である。
あなたが前者の人でありたいとする場合、行わなければならない正義や善行を発揮せずに隠しておいて、それが何になるのか。
二番目の類の人であるならば、頼って来る人々はやがて失望してあなたを捨て、顧みなくなるであろう。
近親、側近について
91)為政者の周りには近親の者や側近の者たちがいる。
が、その中には利己主義、貪欲であり、公正を欠く者もある。その様な精神状態を生むあらゆる原因を除き去って、悪となる源を根絶しなければならない。
92)いかなる土地もあなたの親族、側近の誰一人にも付与してはならない。
また、他人の利益を害する怖れのある事業、たとえば、水の配給、公共事業の利益分配、他人の勘定で人々を働かせる仕事等へ参加する許可を決して了承してはならない。このような行為で利益を得るのは彼らであって、他人を害した責任はこの世においても、来世においてもあなたに負わされるのである。
93)あなたの近くにいる人であろうと遠くに離れている人であろうと、それぞれが各人に任された任務遂行を義務付け、一方あなた自身は忍耐と忍従を持って自らの責務を果たすように。
「正道」に奉仕するために、いかなる努力も惜しんではならない。その行為がもたらすよい結果は測り知れないのである。
94)部下たちがあなたに不正があると疑いをかけるときには事の内容を釈明し、疑いを晴らすように。
そうすることは正しくあろうとするあなたの魂を鍛錬するのを助け、部下に思いやりある配慮を見せることになる。そしてあなたのこのような謝罪は彼らを「正しい道」に引き戻す時の手段として役立つであろう。
敵に対して
95)神のご勧告に従って、敵から出されるいかなる和平の申し入れも決して断ってはならない。
平和は軍隊に休息を、国には安泰を、あなたには平穏をもたらすからである。
96)しかしながら、和平条約締結後も敵への用心を怠らないように。
あなたが警戒を解く、見せかけの和睦であることもあり得る。
しかし、あなたは至誠で武装し、毅然と構えるように。
97)敵と条約を締結したり、安全を保障する協定を結んだ時は、あなたの約束の言葉に忠実であり責任を果たし、また締結する条約、協定の違反の保証としてあなた自身を差し出すように。
98)彼ら側の様々な要望や意見の分裂にもかかわらず、双方で一致をみてなされた神聖な約定に与えた言質を守ることほど重大なことはない。
99)神を信ずる人々は言うに及ばず、神を信じない人々でもこの原則を守っている。彼らでさえも裏切りの結果が何をもたらすかを自覚しているからである。
あなたの約束した言葉を守り、契約を決して裏切ってはならない。
神のご命令に背くのは惨めな愚か者だけである。
100)神が、神の御名をもって条約の締結をさせられ給うのは、神のご慈悲によって全ての人が安全で覆われ、犯すことの出来ない保護と避難の聖所を人々に与え給うためである。そこには欺瞞も裏切りもあってはならない。
あなたの条約の中には、締結後でのいかなる言い逃れも残してはならず、また保証と信用を与えた後であなたの気ままでいかなる解釈も行ってはならない。
101)ある条文が不利であるように思われることになったとしても、神の御名のもとに調印した条約を正当な理由なくして破棄したいとの考えを起こしてはならない。
神からの慰めと満足される解決を待ち望みつつ忍耐、忍従する方が恐るべき結果を数々引き起こして謝るよりずっと優れている。
神への忠誠に欠けるなら、神は取り返しのつかない結果を望まれるであろう。その時は、あなたはこの世においても、来世においても報われることはないであろう。
流血の厳禁
102)不当な血を流さないように留意すること。
復讐ほど軽軽しく引きずられるものはない。
それは幸福で豊かな時を消滅させて、不当な血が流れるのを止める手立ても無い、忌まわしい結果を引き起こす。
103)人間の間を裁かれるのは神がなさることである。その時、神はまず先に流血を侵した者から裁かれるであろう。
104)罪のない人の血を流してまでも、あなたの権威、権力を強化しようとしてはならない。
それは逆に権威を脆くし、破滅で終わるであろう。
105)計画的に犯す殺人ではあなたは神の御前でも、私に対してもいかなる申し開きもない。
そのような大逆罪にはそれに相当する懲罰をもって報いる。
106)例え意図しなくとも鞭や刀、または単に手で課す打刑の一打が死に到らせる重大な一打になることがあることを心得よ。
あなたに任された権威で傲慢にならないように。
そのような不測の事態を犯した場合は犠牲者の両親、家族に当然支払うべき損害賠償を支払わなくてはならない。
勧告
107)傲慢に警戒せよ。
自己過信は傲慢の現われであり、賛辞に囲まれると己惚れにおちいる。
このような身の処し方は、あらゆる善行を全部取り消し、サタンに身を委ねる最もよい機会となる。
108)部下に行う好意を、くどくどと繰り返し言ってはならない。ましてやあなたの尽力を決して誇示してはならず、またあなたが言明した約束を果たさずして、人があなたにした約束を追求してはならない。
くどい繰言は善行を取り消し、大げさな自慢は真実の輝きを曇らせ、守らなかった約束は神からも人からも蔑まれるであろう。
109)神は言っておられる:「あなた方が行わないことを口にすることは、神が最も憎まれることである」。
110)時期がまだ来ていない問題を無理やりに決着を付けようと性急になったり、逆に時期が来ているのに決定を怠ったり、物事がまだ紛糾しているのに裁断したり、明白な事柄をぐずぐずためらってはならない。
111)それぞれの問題を大切にして、それにふさわしい対処をするように。
112)人々が共有する物事や平等である分野で特権を与えてはならない。
すべての人々が気付いている事柄を見て見ない振りをしてはならない。
もしこのようにするなら物事は明るみに出され、真実は蹂躙された人を有利に裁き、あなたの地位は取り上げられて他の人に委ねられるであろう。
113)不正に対して、あなたの魂が覚える激しく猛々しい反発や、激しい怒りで性急に力に訴えたり、激しい言葉で切りつけるのを制御せよ。
舌を制し怒りが収まり、あなたの選択に責任が取れるまで決定を控えることを知るように。そしてこれらの欠点からあなたの身を守るように。
このような自己制御に達するのは、あなたが神の前に出る身であることを念頭に置かない限りは出来ないであろう。
114)あなたの導きとして、過去に公正をもって治めた為政者たちの行為、預言者によって残された高貴な行動規範、神が我々のために「聖なる本」[5]の中に規定され給うた掟を手本として用いるように。
また我々が示した例に従い、あなたの言行を我々の言行と一致させるように。
115)この指示の内容を尊守するために、あなたのできる限りを尽くすように。
以上指示したことは、あなたが魂の気ままに従うように促された時いかなる口実も盾に取ることが出来ない立証として私には十分である。
116)私は神に祈ってお願い申し上げる。
広大無辺の神のお慈悲によって、
あらゆる願いに答え給うお力の偉大さによって、
私が、そしてあなたが言い訳がないよう神と人々に果たさなければならない任務を遂行できるように、
国によい足跡を残せるように、
神のご加護が与えられるように、
我々の思慮が増すように、
我々二人がその生涯を神へのお喜びと犠牲のうちに終わることができるよう、
神にお願い申し上げる。
我々は神のものであり、神のもとに戻るのである。
主よ、御使いとその家族、彼らに従う人々を祝福され給へ。
神の平安を祈りつつ
イマーム・アリ・
イブン・アビ・ターリブが
マーリク・イブン・
アル・アシュタールに
宛てた手紙
西牟田啓子訳
発行:知の都(La Cité du Savoir)
オリジナル文献:Nahj-l-Balâghahの中から 《Lettre de l’Imâm ‘Ali ŕ
Mâlek al-Achtar》「イマーム・アリ・イブン・ターリブがマーリク・イブン・アル・アシュタールに宛てた手紙」
2003年3月発行
発行者:ⓒ Abbas A. al-BOSTANI
La
Cité du Savoir
住 所:C.P. 712,
Succ. B
Montréal,
Qc., H3B 3K3, Canada
訳 者:西牟田 啓子 (Keiko NISHIMUTA)
Copy rights Ⓒ
発行者
ISBN: 2-9804196-2-1
ISBN: 2-9804196-2-1
ISBN: 2-9804196-2-1
ISBN: 2-9804196-2-1
ISBN: 2-9804196-2-1
イマーム・アリ・イブン・アビ・ターリブが
マーリク・イブン・アル・アシュタールに
宛てた手紙
Lettre
de l’Imâm ‘Ali
ŕ Mâlek
al-Achtar
(エジプトの前総督、ムハッマド・イブン・アブ・
バークルの任期中に起こった紛争の結果、
685年にアル・アシュタールを
新エジプト総督として任命した際にしたためた
イマーム・アリの最も長い手紙)
イマーム・アリ・イブン・アビ・ターリブが
マーリク・イブン・アル・アシュタールに
宛てた手紙
(エジプトの前総督、ムハッマド・イブン・アブ・
バークルの任期中に起こった紛争の結果、
685年にアル・アシュタールを
新エジプト総督として任命した際にしたためた
イマーム・アリの最も長い手紙)
西牟田啓子訳
発行:知の都(La Cité du Savoir)